無添加シャンプーの「無添加」とは何?
まず最初に知っておいて頂きたいのは、「無添加」という言葉には法律上の定義がないということです。
つまり、メーカーごとに「無添加=何を添加していないか」の表記にはバラつきがあり、必ずしも「すべてが肌にやさしい」「化学成分すべて不使用」という意味ではありません。商品PRに使われる「無添加」の表記をしっかり見る習慣づけをして頂きたいと思います。
無添加とは「化学合成添加剤」を含まないことではありますが、そもそも「化学合成添加剤」とは何を指すのでしょうか。以下は化粧品・シャンプーなどに使われる代表的な化学合成添加剤です。酸化防止剤・増粘剤・安定剤・Ph調整剤等も添加剤ですが割愛します。
合成防腐剤(菌やカビの繁殖を防ぐ)
パラベン(メチルパラベン、プロピルパラベンなど)
フェノキシエタノール
ソルビン酸K
安息香酸Na
エチルヘキシルグリセリン
カプリリルグリコールほか
合成界面活性剤(乳化成分)
アミノ酸系の「ココイルメチルタウリンNa、ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa」や石油系の「ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na、スルホコハク酸ラウレス2Na」等の洗浄成分は合成界面活性剤です。
しかし、シャンプー等の洗浄成分として約30-40%配合されているので「添加」とは言えず、ここでは除外。油分と水分を混ぜ合わせる乳化成分だけを記載。
PEG-○(○に数字)系界面活性剤(例:PEG-60水添ヒマシ油)
コカミドDEA(ジエタノールアミド系)
ステアレス-○(例:ステアレス-20)
セテス-○(例:セテス-10)
ポリソルベート(例:ポリソルベート20)
トリデセス-○(例:トリデセス-12)ほか
合成香料
成分名に「香料、フレグランス」と表記される混合物全般
合成着色料
赤色・黄色・青色・緑色・紫色○号(例:赤色202号)、タール色素
コーティング剤・合成ポリマー(ツヤ・手触りを良くする被膜成分など)
シリコン系(メチコン、ジメチコン、シクロメチコンほか)
ポリクオタニウム-10 などのポリクオタニウム類
アクリレーツコポリマー
PEG/PPG-○/○(○に数字)
カルボマー
PVP(ポリビニルピロリドン)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
クロスポリマー類(例:ポリソルベートクロスポリマー)
ビニル系コポリマー
アクリル酸アルキルコポリマーほか
これらの成分は、製品の安定性・見た目・使用感・香りなどを高めるために使われることが多い一方で、肌にとって刺激となる可能性や環境への負荷が懸念されることもあります。
【重要】無添加とは「何が添加されていないか」の確認が必要
「無添加」という言葉に安心せず、「何が無添加なのか」「(たとえば合成防腐剤の代わりに)どんな代替成分が使われているのか」を確認することが、本当に肌や髪に優しい商品選びへの第一歩です。
「無添加」について概略ご理解頂けたかと思いますので、「一般的な無添加シャンプー」と「本当の無添加シャンプー」の違いを、わかりやすく記述します。
一般的「無添加シャンプー」の特徴
一般的な市販の「無添加シャンプー」は、以下のような表記が多く見られます。
◎旧指定成分のみ無添加(※2001年までの表示義務成分)。
◎「合成香料無添加」「着色料無添加」「パラベン無添加」など、一部成分だけが無添加。
◎「石油由来成分無添加」等は別の合成成分を使用している場合も。
◎商品ラベルには「無添加」と記載されているが、全成分を見ると石油由来原料やシリコン代替成分が含まれていることも多い。
要確認ポイント
「無添加」の表記で安心するのは早計!
「添加されている化学成分」「何が添加されていないのか」は必ずラベル裏面の全成分で確認してください。わからない場合はネット検索で。
本当の「無添加シャンプー」の特徴
本当の意味で「肌や頭皮にやさしい本当の無添加」を謳えるシャンプーは、以下のような特徴があります。
石油由来の合成界面活性剤不使用
ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなどの石油由来の強い洗浄成分は不使用。代わりに、アミノ酸系・ベタイン系などの低刺激な天然由来の洗浄成分(合成界面活性剤)を使用。
シリコンや合成ポリマー、その代替成分も不使用
洗髪中・洗髪後の手触り、櫛通りを良くするための人工被膜剤のシリコン不使用はもちろん、近年良く使われるシリコン代替のコーティング剤(ポリクオタニウムなど)も不使用。
防腐剤は使わず 天然由来成分で代替
パラベンやフェノキシエタノールなどの合成防腐剤は使わず、抗菌性のある植物エキス等で対応。
合成香料・合成着色料不使用
香りづけはしない「無香料」タイプ、または天然精油などで調整。無香料タイプでも無臭ではなく、原料臭はします。液体の色は原料そのままの、透明や自然色。
注意ポイント
「本当の無添加シャンプー」には上記に挙げた成分は使われていません。ですので、今まで一般的な合成シャンプーを使ってきた方が乗り換えた際、髪の傷みの程度にも依りますが、キシミ・絡まり・パサつきを感じる場合があります。
これは髪に付着していたコーティング剤が剥がれ落ち、「素の髪」が露呈したことが主たる原因です。シャンプーのクオリティが低いということではありませんので予めご承知おきください。
ただし、不快感は継続使用により徐々に軽減していきます。そのころにはキューティクルが整ったなめらかな髪へと近づいています。石けんシャンプーへの乗り換えにも同様なことが言えます。
後悔しないためのチェック内容
無添加シャンプーを選ぶときには、以下のチェックをおススメします。
ご存じと思いますが、化粧品類(シャンプー含)の全成分表記は、成分配合量の多いものから記載されています。1%未満は順不同。
チェック項目 | チェックポイント |
全成分確認 | 最初の数成分が「水・ココイルグルタミン酸Na・コカミドプロピルベタイン」等なら低刺激性の界面活性剤使用。 |
「無添加」の定義 | パラベン・合成香料・合成着色料だけ除去して「無添加」とする製品も多い。何が無添加なのかを要確認。 |
企業姿勢の確認 | 公式サイトで、商品へのこだわりや成分の説明を詳しく、わかりやすく掲載しているか。 |
使用者の口コミ | 髪・肌・頭皮のトラブル発生がないか、使用感・仕上がり等を要チェック。 |
まとめ
項目 | 一般的「無添加シャンプー」 | 本当の「無添加シャンプー」 |
無添加の定義 | 一部成分だけが無添加 | 石油由来・防腐剤・香料など全般不使用または天然由来で代替。 |
洗浄成分 | 強めの洗浄剤が入っていることも | アミノ酸系・ベタイン系など低刺激・低負担。 |
化学合成添加剤 | 配合されている場合がある | すべて不使用。または自然由来で代替。 |
肌・頭皮への影響 | 個人差あり。刺激になる場合も | 敏感肌にも配慮された成分構成になっていることが多い。 |
最後に
「無添加」と書いてあっても、安心するのは早計です。
成分を読み解くチカラ、企業の考え方を見る目が、今まで以上に必要な時代となるでしょう。
大切な肌・髪・頭皮をいたわるために、企業サイドのPR文言だけで満足せず、商品の本質を見極めて選んでください
これが ❝本当の無添加シャンプー❞ です!