界面活性剤とは、水分と油分などのように表面張力が違い、本来混ざり合わない物質同士の媒介をすることで、混ぜ合わせることができる物質のことを言います。たとえばドレッシング。
ドレッシングは概ね水分(酢酸など)と油で作られています。使う時に容器を振って混ぜますが、完全には混ざり切れず分離してしまいます。このドレッシングに卵の黄身を入れてかき混ぜると乳化してマヨネーズができます。この時使った卵の黄身の中の成分レシチンの界面活性作用で酢(水分)と油が混ざり合ったのです。
一般的に、界面活性剤というと脂肪酸(油脂)と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)で反応させて出来た脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムを「石けん」と呼び、石けん以外を「合成界面活性剤(合成洗剤)」と言います。
厚生労働省では、洗浄成分は「せっけん」と「合成洗剤(合成界面活性剤)に2分類されます。よって、「せっけん」でないものはすべて「合成界面活性剤」となります。ですので、品質の良いオーガニック植物由来の洗浄成分を使おうとも、せっけんでないものは合成界面活性剤(合成洗剤・合成シャンプーなど)なのです。
よくシャンプーの成分説明で、「植物由来の界面活性剤を使用」「アミノ酸系の洗浄成分を使用」などの表記を見ることがあると思いますが、それらはすべて合成界面活性剤です。
石鹸は良いが合成界面活性剤は良くない、というような考えを持たれている方は少なくないはずです。たとえばシャンプーなら石鹸シャンプー以外の合成シャンプーは全て悪者(有害なもの)なのでしょうか?
もちろんシャンプーの全成分内容にもよりますが一概にそうとはいえないと思います。
ドラッグやスーパーに売っているような合成シャンプーは石油由来原料や化学合成成分を使い過ぎており、乾燥肌・敏感肌には決して好ましい成分内容とは言えません。だからひとくくりで「合成シャンプーは良くない」と言われている実態があるのかもしれませんね。
ひとことで合成界面活性剤といっても1万種類もあると言われており、そのグレードはピンキリ。原材料によって雲泥の差があります。まずは合成界面活性剤のグレードにもかなりの差があるということを認識して頂きたいと思います。
一例として、以下の合成界面活性剤には少々注意が必要です。
◎ ラウレス硫酸Na(SLS)
◎ ラウリル硫酸Na
◎ スルホン(スルフォン)酸Na
◎ ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
◎ キシレンスルホン酸アンモニウム
◎ パレスー3硫酸Na
◎ パレスー3硫酸アンモニウム
◎ ラウリル硫酸アンモニウム
◎ アルキルエーテル硫酸ナトリウム
また、石けんも合成界面活性剤も含めた「界面活性剤」が良くないと思われている方も意外と多いですが、それは間違った認識だと思います。
界面活性剤それ自体が悪いというものではなく、由来原料や化学添加剤などの配合成分も含め、総合的に製品の良し悪しを判断すべきものなのです。※「合成界面活性剤」と聞いただけで絶対に使わない、という方がおられるのも事実。
上述した卵の黄身の例のように、界面活性剤(作用を持つもの)は自然界に数多く存在します。水分と油分の両方を原料として作られるシャンプー・洗剤・化粧品などに必ず乳化成分として使用されるもの、それが界面活性剤なのです。
「合成界面活性剤」と聞いて頭ごなしに否定されているあなたは、こんな矛盾のある行為をしていませんか?
シャンプーは「石鹸シャンプー」しか安全なものはないと思い込んで使用しているけれども、クレンジング・洗顔料・口紅・頭髪剤・歯磨き粉・台所洗剤・お風呂・トイレ用洗剤などは合成界面活性剤を使っている。
“え~~!口紅も合成界面活性剤なの!?”という悲鳴が聞こえてきそうですが、そうなのです。だからこそちゃんとした知識を吸収する必要があるのです。
このような矛盾を上げれば枚挙にいとまがないですね。たとえば昨今流行っている「ノンシリコン」。人工シリコンは避けたいとの思いから、せっかくノンシリコンシャンプーを使っているのにコンディショナーやトリートメントはシリコン入り。これでは元の木阿弥ですね(笑)。
さらに「アミノ酸系シャンプー」。昨今アミノ酸系という売り文句で販売されているシャンプーは多いですが、これも「合成界面活性剤」。「合界(ゴウカイ)はキライ!」とおっしゃる皆さま、心当たりはございませんでしょうか?(笑)。
世間やブームに流されず、正しい知識を吸収し、自分自身の判断基準に基づいて選択して行動することは、私もそうですが「言うは易し、行うは難し」です。
店長の追伸
当店がネットショップを立ち上げた1998年当時は「石けん」しか販売していませんでした。
当店は石鹼1番人気アレッポの石鹸でネットショップを1998年に立ち上げました。店長自身も無類の石鹸好き(笑)。そして無添加固形石鹸のファンも当店には大勢いらっしゃいます。
石鹸は洗顔やボディ洗いには重宝するのですが、いざ洗髪をすると、とたんに石鹸シャンプー嫌いになられます(笑)。当時は石鹸ではない「無添加シャンプー」「オーガニックシャンプー」というものが、ほぼ皆無でしたので、断念された皆さまの大半が元の石油系合成シャンプーに戻られました。
その現状を見るたびに何度残念で悔しい想いをしたことか。“いつかきっと、どこにもない本当の無添加シャンプーを作ってやる!”と心に決め、2010年に誕生させたのが、今では大人気の魂のハッピーシャンプーです。